鎌倉大町まつりポスター原画製作者
大町在住 今泉 健さん(73)

六十年以上このお祭りを拝観されてきた今泉さん。

「絵心はないよ」と笑って話されましたが、今にもお囃子や神輿振りの天王唄が聴こえて来るような臨場感は、構図や光を調整した加工前の写真(素材)があってこそ。

この原画は、定年から本格的に始めたカメラを手に、撮り収めた写真のうち二枚を選び、グラフィックソフトで絵画調に加工されたそうです。そして今回初の試みである「オフィシャルポスター原画公募」に応募され、見事大賞に選ばれました。

今泉さんの子供の頃は、大町と材木座のお祭りが同じ日で神輿同士がぶつかり合う喧嘩神輿があり、今よりも活発な荒い担ぎ方で正直怖かった印象も。今では子供さんでも安心して楽しく見物できるお祭りになり、お囃子や神輿振りを楽しくご覧になるそうです。

普段は、動物や鳥、植物、街中などにカメラのレンズを向ける事が多く、なかでも動物と鳥がお好きで、リビングに飾られていた「鶴岡八幡宮の白鳩」の写真は、四季の八幡宮写真展に於いて「カメラのキタムラ賞」を受賞し、昨年度のカレンダーに掲載されました。

「こんな表情するのですか?」と思わず言いたくなる様な白鳩の愛らしい表情に「動きのある被写体」をとらえる写真のおもしろさは「狙う部分」と「偶然の瞬間」の組み合わせだと話す今泉さん。

今回の原画として選んだ二枚も、良く知るお祭りの見せ場として、粋な表情や呼吸の合ったバチさばきなど、狙っては撮れない偶然の瞬間だったと振り返られました。

「おもしろいと思える趣味を持てるのは、とてもラッキーな事だよ」

今泉さんの描く地元のお祭り。昭和、平成、令和に繋いでいく「最初の鎌倉大町まつり」にふさわしいポスターになりました。

2019年5月 取材
聞き手:竹腰桃子

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